大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1386 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

弁護人関口正吉上告趣意第一点について。

所論は単に刑訴三二二条一項但書三二〇条の違反を主張するにとどまり同四〇五

条所定の上告理由に該当しない、論旨は採用に値しない。

同第二点について。

公判廷における被告人の自白は憲法三八条三項にいわゆる自白に包含されないと

解すべきことは当裁判所の判例とするところである。されば所論は結局刑訴三一九

条二項の違反を主張するに過ぎないものというべく、刑訴四〇五条所定の上告理由

に該当しないのである。のみならず、第一審判決の証拠説明は、行文稍当を欠く嫌

がないではないが、その趣旨とするところは、判決挙示の全証拠を綜合して判示第

一乃至第三の事実を認定したものであることが理解される。従つて第一審判決は被

告人の自白のみで判示第三の事実を認定したものとはいい得ないのであり、しかも

判決挙示の全証拠によれば、その事実認定はこれを肯認するに十分である。されば

原判決には所論の如き単なる訴訟法の違反も存在しない。論旨は採用に値しないの

である。そして本件は刑訴四一一条を適用すべき場合とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一一月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

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裁判官 齋 藤 悠 輔

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